殺し屋専門食堂を描く映画「ダイナー」感想レビュー~独特過ぎる世界観は一度見ないと損するでしょう~

7月5日(金)より全国で公開が始まった映画「ダイナー」を観てきましたので感想を描いていこうと思います。

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自分は原作未読なのですが、話によると映像化は無理じゃないかと長い間言われていたようです。それほど伝えなくちゃいけない情報量があったということですかね、確かに独特な雰囲気をまとった作品となっていました。予告版でもその世界観を感じることができます。


Diner ダイナー - 映画特報

 

藤原竜也のセリフ「俺は~~~~ここの王だ!!!」で一気に引き込まれる感覚がありますね。殺し屋専門の食堂で進んでいく物語。全く分からない世界観のため、自分も観たいと思いました。

 

1.ダイナーあらすじ

ようこそ、殺し屋専用のダイナー<食堂>へ
そこは、命がゴミのように扱われる、殺し屋専用のダイナー<食堂>。店主は、元殺し屋で天才シェフのボンベロ。
「俺は、ここの王だ。砂糖の一粒まで俺に従う。」
日給30万の怪しいアルバイトに手を出したオオバカナコは、ウェイトレスとして売られてしまう。次々と店にやってくる殺し屋たち。オーダーは極上の料理か、殺し合いか…店主、ウェイトレス、殺し屋たち。新たな殺し合いが今、始まる――!

映画『Diner ダイナー』オフィシャルサイト

 

 

2.映画ダイナーの良かったポイント

 

①ダイナーの独特過ぎる世界観

映画ダイナーの世界観は「奇妙」という一言にすべてが詰まっています。初めおおばかなこが人生に絶望するまでの過程を描くのですか、本人をクレーンゲームの商品に見立てていたり、急に人生を振り返る演劇が始まったり、そうかと思えばミュージカル調になったりと自由過ぎて奇妙です。また、人生に絶望したオオバカナコのもとに来た明るすぎる集団(メキシコで行われる死者の日の仮装)のスパイスもなかなか奇妙でした。

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死者たちに囲まれて喜んでいるヒロインは生をあきらめた顔だったのかなあと考えられます。その後死を近くに感じたカナコが命乞いするシーンは生への執着が感じられ、生きることについて少し考えました。

 

物語中盤から終盤までも序盤と同様「奇妙」な雰囲気がまとわりついて離れませんでした。少し気持ち悪くも感じつつ、どこか美しいと感じてしまうこの世界観は映画の間観客を全く飽きさせないため良かったのだと思います。一瞬自分が思ったのは米津玄師の世界観に似ているなあと思いました。きっとこの世界観は人を引き付ける何かがあるのでしょう。とても興味深かったです。

 

②藤原竜也の強烈なキャラがもはや犯罪レベル

冒頭の予告でのセリフ然り、作品内の一挙一動すべてがボンベロというキャラを表していて「すごい、、、」と思わずにはいられませんでした。もうほんと何人か殺してきたんじゃねえかこの人ってレベルの演技をしてきます(笑)また、今作では普段見られない戦闘シーンがあったのですが、戦い最中の顔などもリアル感があり良かったです。この作品の適役は藤原竜也しかいなかったと断言できます。また、藤原竜也以外のキャラもしっかりとした個性を発揮していました。特にヒロインオオバカナコとスフレが好きな殺人犯スキンの二人の演技はとても見ごたえがありました。そういった役配置もうまかったのには制作者のセンスが感じられました。

 

カイジやデスノートなどでの藤原竜也が好きな方は絶対見るべき映画と言えるでしょう。

 

3.映画ダイナーの惜しかったポイント(ネタバレあり)

①後半の展開が雑過ぎたのが残念でならない

ダイナーという場所があるギャング組織を束ねていたトップが作った場所ということで終盤はトップが事故死してから1周忌ということで東西南北の各地区のトップが集まるのですが、そっからの展開が雑過ぎました。特に、トップが本当は事故死ではなく他殺であったという結構重要な部分をあっさりと終わらせ、その犯人も一瞬で殺されるという雑過ぎる展開は観客を完全においていっていました。もう少し深堀できたのではないでしょうか。映画の時間問題や、お金だったりとネックになる部分があるのはわかります。しかし、せっかく映像不可能と言われた作品を実写化したのだから最後まで徹底的に凝ってほしかったです

 

②スキンの死からのオオバカナコが生きようとする展開が許せない

これは、原作を読んでいない自分が言えることではないのですが、スキンのために毎回スフレを不完全にしていたボンベロの気持ちをオオバカナコが全く考えずに行動したため、結果的にスキンが死んでしまうというシーンがありました。

ここまでは「うわ、やりおったな」とこっからボンベロにぼこぼこにされる展開が読めたのでちょっとグロシーンかと思い身構えましたが、まさかのボンベロは何もせず「出ていけ」とだけいいました。むむむと思いましたが、この言葉で自分は「そうか、ここからオオバカナコが敵幹部に捕まるパターンか、ざまあみろ」と考えたのに、実際はまさかのオオバカナコによる逆切れでした。自分が殺しのトリガーを引いてしまったのにそれを棚に上げ、出て行けというボンベロに啖呵を切るという矛盾しかない展開は一気にしらけました。作品的にはそこから二人の距離が少し近づくという大切なシーンでしたが、あそこの部分はもう少し論理的に作ってほしかったです。

 

4.まとめ

・ダイナー独特の雰囲気は観客を作品へ引き付ける素晴らしい演出だった

・俳優陣の適役が良く、特に藤原竜也の演技は圧巻だった

・映画とするためなのか後半の展開が雑になりすぎてしまった

・スキンの死からのオオバカナコが逆切れする流れは白けてしまった

 

以上が「ダイナー」を観た感想になります。原作が好きだった方、藤原竜也が好きな方、独特な雰囲気を味わいたい方、ぜひ殺人鬼専門食堂「ダイナー」へお越しください。

 

 

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