「夢」を題材としたライトノベルって珍しい気がして購入したのが今日紹介するライトノベル「君死にたもう流星群」です。
いままで自分が紹介した作品の中で「夢」を題材にした作品といえば「ぼくたちのリメイク」があります。大人になって職を失ったゲームディレクターの主人公が、過去に戻って人生をやり直すお話です。人生を頑張ろうと思える良い作品なので是非読んでみてください。
ぼくたちのリメイクもよい作品ですが、今日紹介する君死にたもう流星群も負けていません。「夢」を題材にした作品で絶対に必要な展開は、読んでいて読者がブワッと熱くなれるシーンです。それがこの作品にも多分にふくまれています。特に、過去に何かをあきらめた経験があり、そのことを後悔している人には刺さる作品だと思います。
2022年、世界中の人間が同じ景色を見た。世界一きれいなテロと呼ばれたその日、たった1人の少女が犠牲となった。これは、1人の少年が1人の少女を救うためにすべてをやり直す物語
君死にたもう流星群のストーリーと感想、読者を引き付ける魅力
1.ストーリー
「人生はコスパよく生きることが正解だ、99.9%かなわない夢に人生の全てを費やし、結果0.01%になれなければコスパの悪い人生である。コスパ良く生きるのに夢は必要ない」
そう考える少年に誰よりも感謝し、誰よりも心配した少女は彼が「夢」を持ってほしいと願った。
命が尽きるその瞬間まで、、、
それは唐突に起きた。「スペースベイビー」とよばれ、世間から注目の的となった天野河星乃が両親の死を乗り越え、両親の「夢」を成し遂げるため宇宙飛行士になり、初めて宇宙に行ったときだ。
世界中の衛星が突然停止し流星群となって地球上に姿を見せたのだ。世界一美しいと呼ばれたテロは夢追う1人の少女の命を簡単に奪ったのだ。
この時、地上ではそんな少女を誰よりも近くで、誰よりも応援していた少年がいた。
そして、彼の人生は色を失った。コスパを何よりも重視する考えを持つ彼は今まで上手に生きてきた。不良や先生、両親、すべての人との関係性を付かず離れずの関係を保ってきた。しかし、少年(大地)もまさか数年後自分が無職で、昔「痛い奴」だと思っていた人間に成り下がっているなんて思わなかっただろう。
人間として下位の下位まで落ちた大地は、昔からの知人真理亜から、天野河星乃が生前に残した遺書という名のノイズ混じりな動画を見せられる。不明瞭な映像として映ったそれは、 本当に彼女なのかと分からないほどのもので、大地の心は悲しみのままだった。遺書を見た後、真理亜から、生前星乃が住んでいたアパートを取り壊すため遺品整理をしてほしいと頼まれた大地は衝撃を受けた。
彼女、天野河星乃はタイムマシーン「スペースライター」を発明していたのだ。
3年前の彼女と話すことができた大地は、星乃が流星群になる前に言った「たすけて」を守るためあの頃に戻った。初めて天野河と出会った日へ
これは、1人の少年が少女を守るためにすべてを賭ける物語。
2.グッと引き込まれる魅力
①登場人物たちの葛藤が熱い
この物語は、主人公だけの話に集約していない点が素晴らしいです。登場するキャラクター一人一人が胸に秘めています。天野河の両親の親友であった真理亜は、自分が彼らを殺してしまったとじぶんを責め、友人の盛田は自分の夢に向かい一直線でいようとし、真理亜の娘葉月は、一度も振り向いてくれない大地への恋慕を隠しそうとします。
そうした一人一人の葛藤を一本一本紐解いていく中で主人公が影響を受け、成長していくという流れが物語を熱くさせます。
②主人公が自分とダブルと熱い
いままで「夢」を持ったことのない人や、持っていても挫折してあきらめた人が、自分の夢を主人公に乗せるため、熱くなれます。ヒロインが何度も主人公に対して「夢を持ってほしい」と願う姿が、自分に言っているのではないかと想起させられます。
③松山先生の背景描写が熱い
この作品の作者松山先生が登場人物の心情を周りの風景や環境だったりで表すところがその場への想像力を掻き立てられ最高です。
シリアス場面で描かれる背景描写、気にしてみてください。
それぞれの「夢」を追いかける物語、どちらかというと社会人の方が熱くさせられる作品です。一巻ではまだ序章といった感じで次を読みたくなること間違いなしです。
是非読んでみてください。
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